『恋は雨上がりのように』の13話と14話に仕掛けられた対比について
小説や漫画や映画や写真や絵画の技法に、対比というものがある。
二つのものを似た条件で配置することで、その差や類似を読者に伝える方法のことだ。
『恋は雨上がりのように』にはたくさんの対比構造が登場する。
それがわかりやすい形で使われているのが、2巻に登場する二つのデートシーン。
橘あきらの加瀬に対する態度と店長に対する態度、ならびに加瀬の橘あきらに対する態度と、橘あきらの店長に対する態度が対比になっている。
同じデートという条件を作った上で、その服装で橘あきらの心情をわかりやすく表している。
相手のことが気になる二人。
コマ割りが似ているだけでなく、「オーマイガー!!」「ジーザス!!」」という劇中の言葉も同じ。
行った喫茶店も同じ。
役割に合わせて座る場所は変更。
最後にキスで締めというのも対比。
『恋は雨上がりのように』には、このデート回以外にもたくさんの対比が見つかるのだけれど、それはまた別の機会に。